ハトの食物選好

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  • ハト ノ ショクモツ センコウ

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抄録

オペラント条件づけの一般的な実験動物であるハトの摂食行動に関しては, 測定装置の考案ともあいまって (1, 3, 5, 9) 近年ZEIGLERらによってかなりの知見が得られてる (8, 9, 10) 。ハトの特徴的な摂食動作, 日周パターン, また食物禁制の影響などが詳細に分析されているが, これらの研究は摂食行動の量的側面に焦点をあてている。しかし, 摂食行動の質的側面にかんする研究となると数えるほどしかないのが現状である (2, 6, 7) 。<BR>長期間与えられてもハトに好まれない穀物は固い外皮のある穀物, たとえばヒマワリ, カラスムギなどである。しかし, 例外的にアサノミ (麻の実) だけは固い殻を持つにもかかわらずハトにとって嗜好穀物であることが従来より知られており, アサノミは「ビジョン・キャンデー」とよばれることもある (4, 6) 。アサノミは非常にバランスのとれた穀物であり, 他の穀物は与えなくても良いと言う主張もある。しかしLEVI (4) によればアサノミが繊維室と脂質を多く含有することは, 常時与える餌として望ましい特徴ではなく, 訓練などの特別な機会に刺激物あるいはごちそうとして与えるにとどめるべきだとされている。<BR>本実験はハトの食物選択行動を調べることを目的として計画された。一対比較法を用いて摂食行動を検討したが, アサノミに対する選好 (preference) と呼びうるような選択的な反応性が存在するかどうか, また食物禁制が食物選択行動に対してどのような影響を及ぼすかについて予備的な資料が得られたのでここに報告する。

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