放牧下におけるサフォーク種去勢羊のリーダーシップ

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タイトル別名
  • Leadership in a Small Flock of Castrated Suffolk Lambs

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説明

本実験は, 放牧羊群におけるリーダーとなる特定の個体の存否と, それに関わる社会関係とを明らかにすることを目的とした。供試羊はサフォーク種去勢子羊18頭 (5ヵ月齢) からなる一群を用い, 日中の行動を2週間にわたり観察した。行動は, 縦1列の自発的移動時における個体の順位を連続観察で記録し, また, 食草時における縦1列の移動順位およびサブグループの構成個体について15分間隔瞬間サンプリングで記録した。さらに, 社会的順位や体重との関連性を検討するたあに飼槽争奪試験と体重測定とを行なった。<BR>自発的移動時および食草時に縦1列になったときのいずれにおいても特定の個体が先頭に立つ傾向は見られず, 先頭率が50%を超えた個体はいなかった。これらの先頭率と社会的順位および体重との間に有意な相関は見られず, 優位個体がリーダーになる傾向も見られなかった。なお, サブグループを構成する個体は刻々と変化し, 個体関係において特別な好みを示すことはなく, 「他個体と一緒にいること」に重きがおかれていると考えられた。<BR>以上から, この羊群内には特定のリーダーとみられる個体は存在せず, 放牧下における羊群の社会構造はリーダー制によるものではないことが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679677695488
  • NII論文ID
    130004247941
  • DOI
    10.11595/jpnjsheepsci1964.1993.61
  • ISSN
    21861013
    03891305
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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