書誌事項
- タイトル別名
-
- Clinical Study on Submucous Cleft Palate Patients in the Cleft Lip and Palate Center, Fujita Health University Hospital
この論文をさがす
説明
藤田保健衛生大学病院口唇口蓋裂センターを受診した粘膜下口蓋裂症例に対し,医療介入効果,治療態度の妥当性評価を目的に後方視的検討を行った。<br>【対象】1992年4月~2008年12月までの粘膜下口蓋裂1次症例50例から,手術,言語獲得に影響したと考えられる合併症を有する14例を除外した36例を対象とした。<br>【方法】軟口蓋正中部で筋層離開のみられるものを粘膜下口蓋裂とし,性別,初診時年齢,主訴,合併症,Calnanの3徴候の有無,軟口蓋の長さと可動性,手術,言語治療について調査,検討した。<br>【結果】男児17例,女児19例。初診時年齢は8日~6歳3か月であった。主訴は,裂などの形態異常21例,言語障害などの機能異常15例であった。合併症は,なし28例,精神発達遅滞11例,22q11.2欠失症候群4例,第1第2鰓弓症候群4例(聴覚障害2例),ロバン・シークエンス 3例(OSAS1例)などであった。筋層離開は36例,口蓋垂裂は28例,骨欠損は22例で認められ,20例でCalnanの3徴候すべてが確認された。軟口蓋長は18例が短口蓋,可動性は22例が良,14例が不良であった。医療介入として手術不要17例,施行19例であった。手術不要群では言語訓練不要5例,施行12例,介入効果として改善10例,やや改善2例,5歳までに言語訓練を開始した11例ではすべて就学期までに治療を終了していた。<br>手術施行群では,口蓋形成術施行18例,口蓋形成術と咽頭弁形成術併施が1例,19例中4例で術後言語訓練不要,15例で訓練を施行した。改善12例,やや改善1例,不変2例,1例はPLP使用中,1例は咽頭弁形成術を追加施行し最終的にやや改善と評価された。手術施行群でも,初回手術後の評価不変2例と,手術が5歳以降であった2例を除き,5歳までに手術を施行した15例では就学期までに治療を終了できていた。<br>【結語】手術施行群初回手術後の評価不変2例を除き,手術不要群,手術施行群とも,5歳までに治療を開始できた症例では就学期までに治療を終了していた。
収録刊行物
-
- 日本口蓋裂学会雑誌
-
日本口蓋裂学会雑誌 36 (1), 1-6, 2011
一般社団法人 日本口蓋裂学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679677724160
-
- NII論文ID
- 10030794861
-
- NII書誌ID
- AN00188874
-
- ISSN
- 21865701
- 03865185
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可