顎裂内に脂肪腫を認めた1例

  • 井村 英人
    愛知学院大学歯学部附属病院口唇口蓋裂センター
  • 古川 博雄
    愛知学院大学歯学部附属病院口唇口蓋裂センター
  • 久保 勝俊
    愛知学院大学歯学部口腔病理学講座
  • 新美 照幸
    愛知学院大学歯学部附属病院口唇口蓋裂センター
  • 早川 統子
    愛知学院大学歯学部附属病院口唇口蓋裂センター
  • 佐久間 千里
    愛知学院大学歯学部附属病院口唇口蓋裂センター
  • 前田 初彦
    愛知学院大学歯学部口腔病理学講座
  • 夏目 長門
    愛知学院大学歯学部附属病院口唇口蓋裂センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Lipoma in the Alveolar Cleft

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説明

脂肪腫は成熟した脂肪細胞からなる非上皮性の良性腫瘍である。脂肪腫の頭頸部領域における発生頻度は約2〜8%といわれているが,顎裂部に発生することはまれである。今回,我々は,顎裂部に脂肪腫を認めた一例を経験したので報告する。患者は9歳の男児で,出生時より,左側口唇口蓋裂を認め,5ヶ月時に左側口唇形成術,1歳8ヶ月時に口蓋形成術を施行した.9歳時に,顎裂部腸骨移植術の術前に撮影したCT写真で,境界明瞭,類球形の均一な低濃度域を認めた。左側顎裂および顎裂部腫瘤と診断し,顎裂部閉鎖,腸骨移植術および腫瘤の切除術を行った。病理学的診断は,脂肪腫であった。脂肪腫を一塊として摘出でき,再発も非常に少ないことから,顎裂部骨移植を行った。現在,術後2年が経過するが経過良好である。

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