口蓋裂単独例の合併先天異常

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タイトル別名
  • Congenital Anomalies Associated with Isolated Cleft Palate

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口唇裂・口蓋裂は,比較的発症頻度の高い先天異常であり,単独例,他の先天異常との合併,症候群の1症例として多くの報告をみる。我々は,1968年から2003年12月までの35年間に当科で経験した口蓋裂単独例について,合併先天異常を検討したので報告する。<br>診療録上詳細な記載があった183例で,これに対し合併先天異常の調査を行なった。合併先天異常が見られたのは183例中57例・31.1%(男21例,女36例)であった。57例の中で性差をみると1:1.7と女性に多くみられた。口蓋裂の裂型別にみると,硬口蓋裂の合併先天異常は43例(男13例,女30例),軟口蓋裂では18例(男8例,女10例),粘膜下口蓋裂では合併先天異常は見られなかった。合併先天異常の種類は,舌小帯短縮症が7例,顔面の異常として斜視が4例,耳の異常として副耳1例,小耳症1例,耳介変形が2例であった。心疾患としては,心房中隔欠損症が4例と多かった。体幹の異常としては,鼡径ヘルニアが5例みられた。四肢の異常は12例で,先天性股関節脱臼が3例と多かった。中枢神経系の異常は19例で,精神発達遅延が11例にみられた。症候群・染色体異常は24例にみられ,Robin sequence,Apert syndromeがそれぞれ11例であった。

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