冠動脈スパズムを含む周術期難治性心筋虚血に対する塩酸ファスジルの有用性

書誌事項

タイトル別名
  • A Novel Strategy with Fasudil, a Rho-kinase Inhibitor for Intractable Perioperative Myocardial Ischemia with Coronary Spasm
公開日
2009
DOI
  • 10.4326/jjcvs.38.91
公開者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会

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説明

開心術周術期に治療抵抗性の難治性心筋虚血(冠動脈スパズムを含む)を発症した6例に対し,Rho-kinase阻害剤である塩酸ファスジルを使用した.術後急性期に発症した3例は年齢49~81歳,男性2例,女性1例であった.術直後~手術3時間後にST上昇を伴う循環虚脱を来たした.緊急冠動脈造影を行ったところ,冠動脈あるいはバイパスグラフトのスパズムを認めた.硝酸イソソルビド(ISDN)の冠動脈内投与を行うも軽快が得られなかったため,塩酸ファスジルをスパズム発症血管に対し選択的に投与したところ,3例ともに解除に成功した.術中に発症した3例は年齢57~77歳,いずれも男性であった.大動脈遮断解除後,心膜切開直後,バイパスグラフト吻合中に心筋虚血を発症した.ISDN無効あるいはスパズム疑診例であったため塩酸ファスジルを投与したところ,血行動態の安定化が得られ3例とも術中に体外循環を離脱し得た.スパズムと確定診断された症例はもとより,他剤無効例,スパズム疑診例に対しても塩酸ファスジルは有効であった.Rho-kinaseを標的とした治療戦略は,冠動脈スパズムを含む周術期難治性心筋虚血に対する新たな治療手段となり得る.

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