食道癌術後に発症した急性大動脈解離に対する1手術例

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タイトル別名
  • A Case of Acute Stanford Type A Aortic Dissection after Retrosternal Gastric Tube Reconstruction for Esophageal Cancer

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症例は80歳,男性.約20年前に他院で食道癌に対して,食道全摘術,胃管を用いての胸骨後再建を施行されていた.今回,自宅で突然の胸痛と意識消失を認め,当院へ救急搬送された.造影CTでStanford A型の急性大動脈解離と,心嚢液貯留を認めたため,同日緊急手術となった.患者は食道癌術後で,胸骨正中切開のさいに胃管損傷の危険性も考えられたため,当院外科に相談し,合同での手術となった.胸骨正中切開に先立って,頸部と腹部の胃管を同定し,胸骨後面と胃管の癒着を鈍的に全長にわたって剥離し,胸骨正中切開を施行した.術中所見では胃管の損傷を認めず,上行大動脈置換術を施行し,問題なく手術を終了した.術後は,一過性の胃管浮腫を認めたが,経口摂取可能となり,リハビリ目的に転院となった.アプローチに関する文献的考察を加えて,報告する.

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