川崎病に合併した冠動脈瘤に対して外科治療を施行した1例

  • 田中 恒有
    獨協医科大学越谷病院心臓血管外科・呼吸器外科
  • 入江 嘉仁
    獨協医科大学越谷病院心臓血管外科・呼吸器外科
  • 今関 隆雄
    獨協医科大学越谷病院心臓血管外科・呼吸器外科
  • 六角 丘
    獨協医科大学越谷病院心臓血管外科・呼吸器外科
  • 齊藤 政仁
    獨協医科大学越谷病院心臓血管外科・呼吸器外科
  • 大喜多 陽平
    獨協医科大学越谷病院心臓血管外科・呼吸器外科
  • 龍 興一
    獨協医科大学越谷病院心臓血管外科・呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Surgical Therapy for Coronary Aneurysm with Kawasaki Disease

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説明

症例は51歳,男性.近医で心電図異常を指摘され当院に入院した.10歳の時に猩紅熱で入院歴がある.冠動脈CT検査,冠動脈造影検査で,右冠動脈閉塞(RCA),左主幹部(LMT)の冠動脈瘤を含む3枝病変を認め,手術の適応となった.心停止下に動脈グラフトによる冠動脈バイパス術(CABG)および瘤切除を行った.冠動脈造影検査ではグラフトの開存を確認した.病理診断は川崎病による冠動脈瘤であった.川崎病に合併した冠動脈瘤に対する手術はCABGが基本手術であり,瘤切除を行うかどうかについての確立された治療指針はない.われわれは,瘤内血栓形成からLMTが閉塞する可能性や,冠動脈瘤の原因が確定されていないことなどから,CABGと瘤切除を選択した.しかし,今後は経皮的冠動脈形成術(PCI)による追加治療が不可能であるため,グラフト閉塞を予防することが必須であると思われた.

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参考文献 (3)*注記

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