肥満犬における食餌療法の一治験例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Clinical Report of the Diet Therapy on an Obese Dog
- ヒマン イヌ ニ オケル ショクジ リョウホウ ノ イチチケンレイ
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説明
犬の肥満を管理するための食餌は, 理想体重における維持エネルギーの60%量を給与することに基づいて調整されることが推奨されている. 著者らは市販の体重減量用飼料 (減量食) の肥満防止効果を知ることを目的として, 肥満ビーグル犬に給餌し, 適正な給与量と体重の推移を調べた. あわせて, 血液および血液化学検査を行い, その変化も検討した.<BR>犬の肥満を管理するための食餌は, 理想体重における維持エネルギーの60%量を給与することに基づいて調整されることが推奨されている. 著者らは市販の体重減量用飼料 (減量食) の肥満防止効果を知ることを目的として, 肥満ビーグル犬に給餌し, 適正な給与量と体重の推移を調べた. あわせて, 血液および血液化学検査を行い, その変化も検討した.<BR>試験開始前の体重は19.44kgであり, 目標体重を15kgとして食餌療法を開始した. 飼料を慣用飼料から減量食に切り換え, 摂取エネルギーを代謝エネルギー (ME) 700kcal/日から約70%量の506kcal/日に, さらに約60%量の440kcal/日に制限した. 3カ月間の経過をもって患犬の体重は4.5kgほど減少し, 目標体重に到達した. その後も減量食を制限給与している限り, 体重は14.5~15.0kgの範囲で維持された. しかし, 摂取カロリーを試験開始前に戻したところ体重は急速に増加しはじめ, もとの体重に復する傾向を示した.<BR>血液および血液化学検査では試験開始前に異常な成績はみられず, 甲状腺機能も正常であり, 本ビーグル犬は単純性肥満症と診断された. 減量療法中も検査値にほとんど変化は認められなかった. しかし, 肥満の再発と同時に, 赤血球数, ヘモグロビン量および血球容積は低下した. 総コレステロールとβ-リボたんぱくは顕著に増加し, HDL-コレステロールは減少していた. 血清酵素では乳酸脱水素酵素のみ増高していた.<BR>以上の成績から, 食餌療法における推奨給与カロリー量である “理想体重の維持エネルギー×60%” では, 十分な減量効果が得られない特殊な場合もあることがわかった. その場合, 減量前に摂取していたカロリー量は重要な指標になり得ることもわかった. 減量後の肥満の再発は劇的であり, 体重は急激に増加し, 脂質代謝系も著しい変化を受けることが明らかとなった.摂取カロリーの制限を中止した際に生じたこれらの変状は, 減量後のrebound現象と解された.
収録刊行物
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- 日本獣医師会雑誌
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日本獣医師会雑誌 44 (9), 933-938, 1991
公益社団法人 日本獣医師会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679685064064
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- NII論文ID
- 130004051403
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- NII書誌ID
- AN00191857
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- ISSN
- 21860211
- 04466454
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- NDL書誌ID
- 3748787
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可