牛の濾胞様増殖を示すリンパ腫の免疫組織化学的所見

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  • Immunohistochemical Findings of Lymphoma Showing Follicular Proliferation in Cattle
  • ウシ ノ ロホウヨウ ゾウショク オ シメス リンパシュ ノ メンエキ ソシキ

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抄録

濾胞様増殖を示す牛のリンパ腫の2症例を免疫組織化学的に検討した.症例1は牛白血病ウイルス (BLV) 抗体陽性で, 末梢血は高度の白血性変化を示した.組織学的には脾臓とリンパ節で腫瘍細胞が巨大な濾胞様構造を示し増殖していた.症例2はBLV抗体陰性で, 白血球百分比において末梢血のリンパ球が軽度に増加していた.腫瘍細胞は脾臓とリンパ節で症例1よりやや小型の濾胞様構造を示し増殖していた.両例の腫瘍細胞は中細胞型のリンパ様細胞であった.電子顕微鏡的観察では, 腫瘍細胞の核は症例1では卵円形, 症例2ではcleavedの形態を示した.免疫組織化学的観察では両例の腫瘍細胞の細胞質内からはIgM, IgGおよびIgAは検出できなかった.濾胞様構造内の樹状細網細胞は減数していた.これらの所見から腫瘍細胞は胚中心細胞由来と考えられた.

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