DEA 1システムに起因するイヌの不適合輸血例

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タイトル別名
  • Blood Transfusion Reactions Caused by Incompatibility of DEA 1 System in a Dog
  • DEA 1 システム ニ キインスル イヌ ノ フ テキゴウ ユケツレイ

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抄録

犬は8ヵ月齢, 雄のラブラドールレトリバーで体重は24kg, 歩行を嫌うことと食欲の減退を主訴に来院した. 対症療法を行ったが, 来院8日目にPCV値は20%から14%へ低下したため輸血を行った. 血液検査でBabesia gibsoniが検出されノミベシア症と診断し, ジミナゼン・ジアセチュレート (ガナゼック) を主体とする治療と輸血を行った. 輸血は5例の供血犬から13回行ったが, そのうちの1例からの再輸血時 (8~10回目) に呼吸促迫, 流涎, 嘔吐, 沈うつ, 血色素尿症などの副作用が観察された. これはDEA 1・1型の不適合で, 患犬血清中に産生された抗DEA-1・1, 2抗体によることが判明した. その後, 適合血に切り換えて輸血を継続したところ, 副作用もなく, 良効な治療効果が得られた. 輸血療法では少なくともDEA 1システムの型適合性試験や交差適合性試験の実施が重要であることが再認識された.

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