昭和59年から60年にかけて岡山県に発生した牛の異常産

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  • Bovine Abnormal Birth in Okayama Prefecture from 1984 to 1985
  • ショウワ 59ネン カラ 60ネン ニ カケテ オカヤマケン ニ ハッセイシタ

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抄録

昭和59年1月から60年12月までの2力年間に, 岡山県下で肉用牛と乳用牛の46頭に異常産が発生した.その内訳は流産10頭, 死産11頭, 視力障害, 盲目, 虚弱, 大脳欠損, 小脳形成不全, 脊椎および関節の湾曲を示す異常子牛25頭であった.<BR>これらの異常子牛には, 全例の小脳に脳炎像が観察され, 流産胎子, 死産胎子および初乳未摂取異常子牛の血清にはアカバネウイルスと牛ウイルス性下痢・粘膜病ウイルスに対する中和抗体は存在しなかったが, イバラキ病ウイルスに対する抗体は28頭中7頭 (29.6%) に認められた.<BR>さらに, 異常産母牛とその同居牛, および岡山県下に飼育されてイバラキ病ワクチン未接種牛はイバラキ病中和抗体を高率に保有し, ワクチン接種によっては産生が困難と思われる高い抗体の母牛もいた.<BR>以上の所見から, 今回の牛異常産の原因として, イバラキ病ウイルスあるいはイバラキ病ウイルスと共通抗原をもつウイルスの関与が強く疑われた.

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