岩手県内のツキノワグマにおける重金属濃度とその地域差

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タイトル別名
  • Heavy Metal Concentrations in Japanese Black Bears and Regional Differences in Iwate Prefecture
  • 日本獣医公衆衛生学会誌 岩手県内のツキノワグマにおける重金属濃度とその地域差
  • ニホン ジュウイ コウシュウ エイセイ ガッカイシ イワテ ケンナイ ノ ツキノワグマ ニ オケル ジュウキンゾク ノウド ト ソノ チイキサ

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抄録

平成18年から21年に岩手県内で捕獲されたツキノワグマ計101頭について,肝臓および腎臓のヒ素,カドミウム,クロム,水銀および鉛をICP-MSによって定量した.ヒ素およびクロムの濃度はすべての個体で0.2および1.0mg/kg未満であった. カドミウムの平均濃度は肝臓で0.9mg/kg,腎臓で15mg/kgで,腎臓においておよそ15倍の濃縮が認められた. 水銀は肝臓,腎臓ともに大部分の個体で0.2mg/kg 未満であったが,1.0mg/kgを超える個体が1頭みられた. 鉛の平均濃度は肝臓,腎臓ともに0.37mg/kg であり,2頭の肝臓の鉛濃度が2mg/kgを超えていた. 今回の結果は前報と同様にツキノワグマにおける鉛汚染を示唆するものであったが,今回新たにカドミウムと鉛の濃度が北上高地個体群より北奥羽個体群で高いことが明らかとなった.

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