犬歯を温存した歯原性角化囊胞摘出の犬の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Canine Conservative Tooth Operation for Odontogenic Keratocyst in a Dog
  • ケンシ オ オンゾン シタ ハ ゲンセイ カクカノウホウテキシュツ ノ イヌ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

ゴールデン・レトリーバー(1歳3カ月齢,避妊雌)の右鼻梁部と右上顎犬歯部歯肉及び歯槽粘膜に2カ月前より腫脹を認めたため,穿刺・排液,抗生物質投与が行われた.腫脹は減少していたが10日前にふたたび腫脹し,岐阜大学動物病院に来院した.初診時,腫脹部粘膜に羊皮紙様感を触知し,X線,CT検査で境界明瞭な多胞状の骨透過像を認めた.腫脹部の一部の組織生検では重層扁平上皮がみられ,歯原性囊胞と仮診断し,摘出手術を行った.手術は腫脹部粘膜を切開し,剝離後,歯槽骨を除去して囊胞壁を露出し,これを摘出した.囊胞内に歯質は含まれず,周囲の歯に動揺や大きな変位がなかったため,抜歯は行わなかった.摘出病変は錯角化した重層扁平上皮がみられ,歯原性角化囊胞と確定診断した.歯原性角化囊胞は囊胞内に歯質を含まないため早期診断により歯を温存した摘出が可能である.

収録刊行物

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ