尾張地方における豚, 犬, 牛ならびに人におけるトキソプラズマ抗体分布調査成績

書誌事項

タイトル別名
  • Study on general epidemiology of the Toxoplasmosis
  • オワリ チホウ ニ オケル ブタ , イヌ , ウシ ナラビニ ヒト ニ オケル トキソプラズマ コウタイ ブンプ チョウサ セイセキ

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説明

尾張地方における人, 豚, 犬, 牛等についてHA testによりTpの抗体調査を行ない.当地方の総体的な浸潤度を考察したところ, 犬が陽性率27%(27/100) で豚の21.8%(37/170) よりも高く牛は非常に低かった.<BR>1.肉豚の陽性率は18.2%(27/148) で繁殖用豚では45.5%(10/22) の通りその比率は後者がはるかに高い (X2=8.33).なお性別による有意差は全くみられない (X2=0.17).<BR>2.人では一般人の陽性率7.0%(4/57) に比し, 職業人では34%(16/47) と圧倒的に高く (x2=10.4), これを年令別にみると両者ともわずかつつではあるが高年令層ほど陽性率が高い.職業人の勤務年数による陽性率は5年以下16.7%, 6~10年35.7%, 11~20年42.9%, 21年以上も42.9%と実働年数の長くなるほど高い.なお今回の調査では職業人の濃厚感染 (1: 1024≦) の者はなかった.<BR>3.犬の陽性率は27%(27/100) で, これを年令別にみると若犬4.5%(2/44), 成犬42.1%(16/38), 老犬50%(9/18) の通り年令の多くなるほど陽性率が高い.(X2s=20.49).なお性別や体格による有意差はみられなかった.<BR>4.牛の感染率は非常に低く1.7%(1.60) であった.稿を終るにあたり農林省動物医薬品検査所の信藤博士, 伝研の常松教授, 愛知県食品獣医務課長の近藤博士には御理解ある御援助と御指導を賜わったことを衷心より深謝します.<BR>本研究の一部要旨は第23回日本公衆衛生学会において発表した.

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