黒毛和種肥育牛に多発する皮下血腫

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タイトル別名
  • A Study on Subcutaneous flematoma in Fattening Japanese Black Cattle
  • クロゲワシュ ヒイクギュウ ニ タハツスル ヒカケッシュ

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抄録

肥育中の黒毛私種牛に多発する血腫について, 49症例の病態を検索した. これらの発症牛のうち51.9%において, 正常より大型の顆粒を含有する好酸球が認められ (大顆粒群), 顆粒が通常の牛 (通常顆粒群) に比較して皮下病変の腫脹が大きく, 可視粘膜が蒼白で, 栄養状態は不良であり, 予後不良になる傾向が強く, 本病で廃用される牛はほとんどがこの大顆粒群に含まれていた.<BR>大顆粒群および通常顆粒群と, 正常対照牛群とを血液学的および血液生化学的に比較検討した. その結果, 大顆粒群において赤血球数, ヘモグロビン量, PCV, 血清コレステロール値およびリン脂質値の減少, リポタンパク電気泳動のα 分画の減少とpre-β 分画の増加, 血小板のコラーゲン凝集能の低下が有意に認められた.<BR>以上の知見から, 本病においては, 血小板凝集能および血清脂質の検査が診断上必要で, とくに好酸球顆粒の大きさの観察は予後判定, あるいは素因の有無を識別する指標になるものと思われた.

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