岡山県下の一地区における豚痘の集団発生

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タイトル別名
  • An Epidemic of Swinepox in Okayama Prefecture
  • 岡山県下の2地区における豚痘の集団発生
  • オカヤマケンカ ノ 2 チク ニ オケル トントウ ノ シュウダン ハッセイ

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説明

1984年8~9月にわたって, 岡山県下の20戸からなる養豚地域に豚痘が集団発生した. 発症豚は哺乳豚, 離乳豚, 肥育豚, 繁殖豚の総ての日齢に見られ, その発生率は24.3%(2, 597/10, 685頭) であった. 臨床症状は, 全身の皮膚に発痘がみられ, それらは約1ヵ月の経過で回復した. 病理組織学的には, 皮膚の有棘細胞層の増生, 核の空胞化および好酸性の細胞質内封入体が認められた. ウィルス検査では, 豚腎由来PK-15細胞を用いて, 円形のCPEを示すウィルスが分離された. 分離ウイルスの理化学的性状は, 核酸はDNA型と考えられ, エーテル, pH3.0の酸, および56℃, 30分の加熱には感受性を示した.<BR>動物接種については, 分離ウイルス (OV-1株) の豚への接種で局所に病巣形成を認めたが, 鶏家兎, マウス, 発育鶏卵漿尿膜については発症もしくは病巣の出現をみなかった.<BR>電顕では, 感染細胞内にポックスウイルス特有のウイルス粒子を認めた. さらに, 細胞質内および核内には豚痘ウイルス特有のラメラ構造を観察した.

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