土壌中に接種した<I>Microsporum gypseum</I>と<I>M. canis</I>の再分離について

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タイトル別名
  • Reisolation of<I>Microsporum gypseum</I>and <I>M. canis</I> Inoculated into Soil
  • 土壌中に接種したMicrosporum gypseumとM.canisの再分離について
  • ドジョウチュウ ニ セッシュシタ Microsporum gypseum ト
  • Reisolation ofMicrosporum gypseumand M. canis Inoculated into Soil

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説明

Microsporum gypseumは, 土壌菌として広く土壌中に分布するが, M.canisが土壌から分離されたという報告はきわめて少ない. M.canisに感染している動物を飼育している家の庭土は, M.canisによって汚染されていることが十分考えられるが, 本菌が土壌から培養されることはなく, 多くはM.gypseumだけが分離される.したがって, M.gypseumの感染源が土壌と考えられているのに反し, M.canisの感染源が土壌である可能性はないと思われ.<BR>そこで, M.gypseumやM.canisを土壌に接種し, 窓際に放置して戸外と同じような条件とした場合, どの程度再分離できるかを検討した.<BR>その結果, 土壌に接種したM.gypseumは明るい窓際に15日間放置したあと培養しても菌は発育したが, M.canisは明るい窓際に7-10日間以上放置したとき, 菌の発育は認められなかった.<BR>また, 土壌にM.gypseumM.canisの両方を接種したとき, 接種直後に再分離を試みても, 平板の表面は発育の旺盛なM.gypseumに被われ, M.canisの発育を証明することができなかった.<BR>これらの結果は, M.canisが土壌から分離されることがほとんどないことや, 土壌がM.canis感染の感染源とは考えられないことを示唆するものであった.

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