若齢猫にみられた犬糸状虫感染症の1例

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タイトル別名
  • Case of Juvenile Cat Infected with <i>Dirofilaria Immitis</i>
  • ジャクレイネコ ニ ミラレタ イヌ シジョウチュウ カンセンショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>推定生後約3カ月齢時の夏に千葉県内で保護されて以降,完全な室内飼育下にあった8カ月齢,去勢雄の雑種猫が呼吸促迫のため来院した.好酸球数増多,胸部X線像で肺後葉血管の拡大とび漫性間質パターンを認めた.犬糸状虫感染症が疑われたが,心臓超音波検査で虫体は観察されず,また犬糸状虫抗原/抗体いずれも陰性であった.約2週間後には磁気共鳴画像(MRI)検査と脳脊髄液検査では原因が特定できない強直性の痙攣発作が認められた.さらに6週間後には重度の呼吸困難,体表リンパ節腫大並びに播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation : DIC)を発症し,対症療法を行ったが斃死した.病理解剖所見では,右心室と後大静脈に8隻の犬糸状虫を認め,リンパ節には重度の肉芽腫性炎症が,脳脊髄には非化膿性髄膜脳炎が認められた.呼吸器症状を示し,好酸球増多や胸部X線像でび漫性間質パターンが認められる猫では,1歳齢未満の若齢猫であっても,犬糸状虫感染症を疑う必要があると思われた.</p>

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参考文献 (12)*注記

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