飼養衛生から見た乳牛のサルモネラ症発生要因に関する一考察

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タイトル別名
  • Potential Risk Factors for Salmonellosis in Dairy Cows in Terms of Herd Management
  • シヨウ エイセイ カラ ミタ ニュウギュウ ノ サルモネラショウ ハッセイ ヨウイン ニ カンスル イチ コウサツ

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抄録

道内酪農場169戸を対象に過去8年間のサルモネラ(S)症発生状況と乳牛飼養衛生管理方式との関連を疫学的に解析した.S症は8~10月に多発し,発生農場(n=21)のフリーストール飼養率は非発生農場に比べて有意に高く,飼養頭数も有意に多かった.詳細なデータが得られた11発生事例のうち7事例では泌乳前期の牛が初発であり,発生時の同居経産牛2,447頭の糞便S検査では,他の泌乳ステージに比べ泌乳前期の牛で最も保菌率が高かった.9月の乳成分検査では,乳蛋白質率2.8%未満を示す泌乳初期牛(分娩後31~60日)の割合が,非発生農場に比べ発生農場で有意に高かった.以上の結果は,頭数規模拡大に伴う集約的な飼養形態に加え分娩後に乳蛋白質率が低下するようなルーメン発酵の減退が酪農場でのサルモネラ症発生の一因となっている可能性を示している.

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