アサリから得た繊毛虫の1新種,Ancistrum edajimanum n. sp.について

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タイトル別名
  • ON A NEW CILIATE, ANCISTRUM EDAJIMANUM N. SP., FROM A BIVALVE, TAPES PHILIPPINARUM (ADAMS ET REEVE)
  • アサリから得た繊毛虫の1新種,Ancistrum edajimanum n.sp.について〔英文〕
  • アサリ カラ エタ センモウチュウ ノ 1 シンシュ Ancistrum ed

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抄録

広島県江田島湾のアサリの鰓および外套膜より発見された繊毛虫の1新種Ancistrum edajimanumを報告する。体は長卵形で扁平,やや左に紆曲する。体長43〜78μ,体幅13〜34μ。体表面は等長の繊毛(5〜9μ)でおおわれているが,囲口部の両縁および細胞口には長繊毛(15〜20μ)が生じ,一様に後方に向かう。繊毛列は体の長軸に沿って走り,背面における数は腹痛に比べ多い。囲口部の溝は体の右側先端から後端に達し,後端近くで細胞口を開き,それはさらに曲った釣針状の細胞咽頭へと移行する。食胞は細胞咽頭の先端に,また収縮砲は,細砲口付近に形成される。大核は1個で,楕円形,体中央よりやや囲口部側前方に,そして1個の小核は大核の左側またはその前方に位置している。本種は上村氏(1937)が数種の二枚貝から発見記述したAncistrum japonicumに似るが,核の形とその位置,繊毛列の数の違いが認められ,特に囲口部の溝が全く反対側にある点では大きく相異する。

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