ニジマスの海水養殖に関する研究―I

書誌事項

タイトル別名
  • ドウトク キョウイク ノ バ ノ ジッセンテキ イチコウサツ
  • ニジマスの海水馴致について

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説明

ニジマスの海面養殖を企業化するのに必要な資料を得るため, 海水馴致試験を行なった。<BR>(1) ニジマスを淡水から海水に馴致する過程の, 飼育水比重の推移曲線は, S字型の場合が他に比べて高い生残率を示した。<BR>(2) σ15=14の汽水に4~5日馴らして, 海水 (σ15=24) に切換えた場合は, 3日間馴らした場合に比べて高い生残率を示した。<BR>(3) σ15=12ないし16の汽水中に4日以上おいたものは, その後海水にした場合の生残率が, σ15=20に同期間おいた場合より生残率が高かった。<BR>(4) 秋に行なった4回の馴致実験では, 後に行なった場合ほど生残率が高く, また春季には, 条件を厳しくしたにもかかわらず, 各回とも90%以上の生残率を示し, ニジマスの海水順応能力が季節によって異なるものと考えられる。<BR>(5) 水温や日長を含めた季節的条件のうちの, ニジマスの海水順応能力に影響を与える要因を, 明らかにして行くことが必要である。<BR>(6) 体重60gの場合には46.7~80%の生残率であるのに対して, 同条件で100gのものでは, ほぼ100%が海水に順応し, 魚体の大きさにより海水に対する抵抗性が異なると考えられる。<BR>(7) 既設のノリ採苗用水槽を用いた企業的規模での実験では, σ15=10および18の汽水から徐々に9日目に海水にすることにより, 11月においても, ほぼ100%の生残率で海水に馴致させることができた。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 13 (1), 29-38, 1965

    日本水産増殖学会

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