多年生アマモ種子の異なる発芽温度による草体の繁殖特性

書誌事項

タイトル別名
  • Reproductive properties of perennial <I>Zostera marina</I> at various germination temperatures
  • タネンセイ アマモ シュシ ノ コトナル ハツガ オンド ニ ヨル ソウタイ ノ ハンショク トクセイ

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抄録

多年生アマモの繁殖戦略について知見を得るため,異なる発芽温度(7, 10, 15, 20および25℃)で得られた実生を屋外水槽で培養し,草体の形態的特徴を調査した。発芽試験には低温処理区および無処理区の種子を用いた。低温処理区の種子の発芽率は15℃で最も高く,無処理区の種子に比較して高い発芽率を示した。屋外水槽に移植した実生は発芽から14ヶ月以降に生殖株を形成することが明らかとなった。また,栄養株の分枝数および生殖株の形成数には発芽温度の影響が認められなかった。さらに,多年生アマモの生殖株は,発芽温度による生殖株あたりの花穂数および分岐数,花穂形成範囲への影響は認められなかった。有意な差が認められたのは,低温処理区の種子から生長した生殖株において,花穂数が上部分岐に比較して下部で多くなる点のみであった。すなわち,多年生アマモの有性的および無性的な繁殖戦略は,種子への温度処理および発芽温度による影響をほとんど受けないことが示唆された。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 64 (4), 391-398, 2016

    日本水産増殖学会

被引用文献 (1)*注記

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