イネ白菜枯病菌に対するIR8品種群の抵抗性とその遺伝

書誌事項

タイトル別名
  • Resistance and Its Inheritance to Bacterial Blight of IR8 Rice Cultivar Group
  • イネ白葉枯病菌に対するIR8品種群の抵抗性とその遺伝〔英文〕
  • イネ シロハガレビョウキン ニ タイスル IR8 ヒンシュグン ノ テイコウセ

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説明

イネ白菜枯病菌レースの国際判別品種を設定するため,抵抗性遺伝子を一つずつもつ準同質遺伝子系統を育成する前提として,日本とIRRIの判別品種の抵抗性遺伝子の同定を行っている.本報では,IR8についての分析結果を報告する.イネ品種IR8はIRRIの判別品種の一つで,全てのフィリピン産白葉枯病菌レースに対して感受性を示す(Table!).一方,日本産白菜枯病菌レースIB,II,IIIA,Vに対して抵抗性を示すが,レースIA,IIIB,IVに対しては感受性を示す(OGAWA1983,OGAWA and YAMAM0T01987b).本研究ではまず,このIR8と同様な反応型を示す品種に,日本産白葉枯病菌レースIA,IB,II,IIIA,IIB,IV,V及びインドネシア産白葉枯病菌レースIV,Vを接種して反応型を比較した.しかし,日本産白菜枯病菌レースV(H75373)は他の研究者の結果(YAMADA et al.1979a,1979b,OGAWA and YAMAM0T01987a,1987b)と同様に他のレースと比較して病原力が弱く,このレースに対する品種の抵抗性の判定は困難であった.一方,インドネシア産白葉枯病菌レースVは,病原力が強かったが,IR8型の反応を示す品種は,全て明らかな抵抗性を示した(Table2).また,これらの品種は,日本産白菜枯病菌レースIVに対しては感受性を示すが,インドネシア産レースIVに対しては抵抗性を示した.従って,日本産白葉枯病菌レースIVは,インドネシア産レースIVと同じレースとはいえず,両レースには病原性の分化があると結論した.

収録刊行物

  • 育種学雑誌

    育種学雑誌 41 (2), 211-221, 1991-06-01

    日本育種学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (7)*注記

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