鰾の開腔状態が異なるカンパチ仔魚の摂餌と成長

  • 橋本 博
    (独)水産総合研究センター増養殖研究所志布志庁舎
  • 今井 彰彦
    東京海洋大学海洋生物資源学科
  • 岩崎 隆志
    (独)水産総合研究センター増養殖研究所上浦庁舎
  • 浜崎 活幸
    東京海洋大学海洋生物資源学科
  • 照屋 和久
    (独)水産総合研究センター西海区水産研究所八重山庁舎
  • 浜田 和久
    (独)水産総合研究センター増養殖研究所古満目庁舎
  • 虫明 敬一
    (独)水産総合研究センター西海区水産研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Feeding and Growth of Larval Greater Amberjack <I>Seriola dumerili</I> with Non-inflated, Normal Inflated and Over-inflated Swim Bladders
  • ヒョウ ノ カイコウジョウタイ ガ コトナル カンパチシギョ ノ セツジ ト セイチョウ

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説明

カンパチ仔魚の鰾の開腔状態と摂餌・成長の関係を把握する目的で,未開腔仔魚,開腔個体のうち海水面に浮上する仔魚(浮上仔魚)とそれ以外の正常開腔仔魚を類別し,その成長,鰾体積および摂餌数を調べた。仔魚は500 l 水槽と大型水槽(80 kl)で9~10日齢まで飼育した。また,仔魚の組織切片を作製し,鰾を観察した。開腔率(開腔仔魚数/調査仔魚数×100)は70~100%を示した。小型水槽と大型水槽とも浮上仔魚は6~7日齢から出現し,大型水槽における平均浮上率(浮上仔魚数/開腔仔魚数×100)は40%程度に達した。浮上仔魚の鰾は正常開腔仔魚に比較して肥大しており,未開腔仔魚と浮上仔魚の成長と摂餌数は正常開腔仔魚に比較して劣っていた。本研究では,鰾が肥大した仔魚の出現要因については明らかにできなかったが,鰾の異常で浮力を調節できない仔魚は十分に摂餌できず,低い成長率を示すことが示された。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 60 (1), 99-106, 2012

    日本水産増殖学会

参考文献 (21)*注記

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