長崎県産養殖クロマグロの普通筋の肉質に及ぼす体格組成の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of body constitution on flesh quality of cultured Pacific bluefin tuna <I>Thunnus orientalis</I> in Nagasaki Prefecture
  • ナガサキケンサン ヨウショク クロマグロ ノ フツウキン ノ ニクシツ ニ オヨボス タイカク ソセイ ノ エイキョウ

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抄録

本研究では,異なる体格組成の養殖クロマグロの肉質を天然魚のそれと比較検討した。養殖魚の肥満度は天然魚と同程度であったが,背部普通筋中の脂肪面積率は天然魚よりも有意に高かった。尾叉長と普通筋の脂肪面積率の関係を検討したところ,天然魚の背部普通筋では尾叉長の増大に伴い脂肪面積率が低下する有意な負の相関関係が,養殖魚では有意な正の相関関係が認められた。また,養殖魚では尾叉長の増大に伴って背部普通筋の白さを示す感覚色度 L値が有意に増加したが,天然魚では有意に低下した。養殖魚では尾叉長と a値には関係が認められなかったが,天然魚では尾叉長の増大に伴い a値は有意に増加した。背部普通筋の ATP 関連化合物含量は,養殖魚は天然魚より有意に少なかった。以上より,養殖クロマグロでは成長に伴う体格組成の違いが普通筋中の脂肪面積率の多寡や肉色等の肉質に影響を及ぼすと考えられた。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 63 (4), 373-379, 2015

    日本水産増殖学会

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