一定水温および変動水温下におけるホンモロコ卵の孵化時間

書誌事項

タイトル別名
  • Hatching time of “Honmoroko” <I>Gnathopogon caerulescens</I> eggs under constant versus fluctuating temperature regimes
  • イッテイ スイオン オヨビ ヘンドウ スイオン カ ニ オケル ホンモロコラン ノ フカ ジカン

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説明

ホンモロコ卵の水温と孵化率および孵化日数の関係について,6~32℃の8段階の一定水温下で調査するとともに,自然変動する琵琶湖の湖岸水のもとでも産卵期を通じて検討した。10~32℃の一定水温下で孵化は起こり,10~29℃の範囲で孵化率および正常孵化率とも高かった。自然変動する水温下では,産卵と孵化は10~27℃の範囲で起こり,卵の孵化率と正常孵化率はともに高く、水温が同じでも一定水温下に比較して孵化に要する日数が短くなる傾向が見られた。以上の結果は,本種の孵化限界水温の下限が6~10℃の範囲に,上限が29~32℃の範囲にあり,孵化最適水温は10~29℃の範囲で,水温の自然変動下で産卵孵化が起こる範囲と孵化最適水温がほぼ一致することを示している。4月から7月の湖岸の水温条件における孵化日数から,孵化に要する時間は,4月では16日以上,6月中旬でも7日間が必要であり,浅い水域に産み付けられた卵の保護には一定期間の水位維持が重要である。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 64 (1), 97-102, 2016

    日本水産増殖学会

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