海上網生簀における天然プランクトンを用いたマダラの半粗放的種苗生産

  • 友田 努
    国立研究開発法人水産総合研究センター増養殖研究所志布志庁舎
  • 久門 一紀
    国立研究開発法人水産総合研究センター西海区水産研究所奄美庁舎
  • 渡邉 研一
    東京農業大学生物産業学部アクアバイオ学科
  • 荒井 大介
    農林水産技術会議事務局研究推進課
  • 小磯 雅彦
    国立研究開発法人水産総合研究センター西海区水産研究所八重山庁舎
  • 手塚 信弘
    国立研究開発法人水産総合研究センター日本海区水産研究所宮津庁舎
  • 堀田 和夫
    富山県農林水産総合技術センター水産研究所
  • 桒田 博
    国立研究開発法人水産総合研究センター増養殖研究所南伊豆庁舎

書誌事項

タイトル別名
  • Semi-extensive larviculture of pacific cod <I>Gadus macrocephalus</I> utilizing wild zooplankton in the sea net-cage
  • カイジョウモウ イケス ニ オケル テンネン プランクトン オ モチイタ マダラ ノ ハンソホウテキ シュビョウ セイサン

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抄録

マダラ稚魚の種苗量産技術を開発するため,海上網生簀の明かりに蝟集する天然プランクトンを利用した半粗放的飼育を検討した。変態中期のマダラ仔魚(全長12,13 mm 群)を約30 mm サイズまで育成したところ,生残率は46.4~48.7%となった。変態後期と変態完了後の仔稚魚(17,19,20 mm 群)を45~50 mm サイズまで育成したところ,生残率51.4~76.5%となった。この結果,それぞれの飼育事例で204.8千尾および183.7千尾の稚魚を生産することができた。本飼育方法による種苗1尾当たりの生産コストは30 mm サイズで平均6.4円,45~50 mm サイズでは6.2~10.5円と見積もられた。海上網生簀で天然プランクトンを利用する生産手法は高成長,高生残のみならずコスト軽減も期待できることが示された。我々は本手法を様々な栽培漁業対象魚種に適用可能な種苗生産手法として提案したい。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 64 (1), 109-119, 2016

    日本水産増殖学会

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