ステロイドホルモンとサケ脳下垂体を用いたタイリクバラタナゴの人工催熟

DOI 日本農学文献記事索引 Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Artificial maturation of Chinese rosy bitterling <I>Rhodeus ocellatus ocellatus</I> using steroid hormone and salmon pituitary extract
  • ステロイドホルモン ト サケ ノウカスイタイ オ モチイタ タイリクバラタナゴ ノ ジンコウサイジュク

この論文をさがす

抄録

タナゴ亜科に属する魚類は,特異な繁殖生態を持つため人工繁殖が難しく,生息域外保存に向けた技術開発が十分に進められていない。本研究では,外来の担名亜種であるタイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus を実験材料として,ホルモン投与による完全な人為環境下におけるタナゴ亜科魚類の繁殖技術の開発を試みた。本研究では,17α-OHP(0.01μg / g)とサケ脳下垂体(200μg / g)を用いて投与実験を行なった。産卵管の伸長効果は,17α-OHP とサケ脳下垂体の両方に認められ(Steel-dwass test,P<0.05),さらに GSI にも増加傾向が認められた。卵はサケ脳下垂体投与区のみから83粒が搾出された。得られた卵のうち,43個体が孵化し,17個体が浮上期に達した。生殖腺組織切片像には,卵黄胞期から完熟期にあたる卵母細胞が散在し,退行・吸収過程の卵母細胞もみられた。以上により,タナゴ類に対するホルモンの催熟効果が確認され,人工繁殖技術としての実用性が示された。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 63 (2), 151-158, 2015

    日本水産増殖学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ