琉球列島の中琉球における新たな二つの国立公園の誕生と世界自然遺産候補地としての課題

書誌事項

タイトル別名
  • The birth of two new national parks on the Central Ryukyus in the Ryukyu Chain and the task of a World Natural Heritage Site
  • リュウキュウ レットウ ノ チュウ リュウキュウ ニ オケル アラタ ナ フタツ ノ コクリツコウエン ノ タンジョウ ト セカイ シゼン イサン コウホチ ト シテ ノ カダイ

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説明

<p>琉球列島のうちの「中琉球」とよばれる地域に,2016年に「やんばる国立公園」が誕生し,2017年に「奄美群島国立公園」が新たに誕生した.これらの国立公園指定の意義は,現在,日本政府が登録申請中の「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島世界自然遺産推薦地」の保護区としての保護担保措置のためである.中琉球の生物相は特異的で,ユーラシア大陸から古い時期(後期中新世-更新世初期,1,163万年前–200万年前)に分岐し長い孤立期間を経て,捕食性哺乳類を欠いた島嶼環境で独自の進化を示し,高い固有性を示している.遺存固有種のウサギ類やネズミ類が代表としてあげられる.近年,研究成果も多くあり,本誌の特集でも新たな研究成果が追加されている.琉球列島の希少種や生物多様性保全に対して,日本哺乳類学会はこれまで20年以上にわたり要望書や意見書を提出してきている.今後の課題としては,本地域の新たな保護対策や世界自然遺産登録にかかわる,生息地保全や外来生物対策の強化が挙げられる.</p>

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 57 (2), 183-194, 2017

    日本哺乳類学会

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