乗鞍岳畳平で人身事故を引き起こしたツキノワグマの食性履歴の推定

  • 中下 留美子
    特定非営利活動法人信州ツキノワグマ研究会 日本認証サービス株式会社 現所属:独立行政法人 森林総合研究所
  • 鈴木 彌生子
    日本認証サービス株式会社
  • 林 秀剛
    特定非営利活動法人信州ツキノワグマ研究会
  • 泉山 茂之
    特定非営利活動法人信州ツキノワグマ研究会 信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育センター
  • 中川 恒祐
    岐阜大学応用生物科学部獣医学過程
  • 八代田 千鶴
    岐阜大学大学院連合獣医学研究科
  • 淺野 玄
    岐阜大学応用生物科学部獣医学過程
  • 鈴木 正嗣
    岐阜大学応用生物科学部獣医学過程

書誌事項

タイトル別名
  • Feeding habit analysis of an Asiatic black bear that attacked on humans in Mt. Norikura by stable isotopes
  • 乗鞍岳畳平で人身事故を引き起こしたツキノワグマの食性履歴の推定--安定同位体分析による食性解析
  • ノリクラダケ タタミダイラ デ ジンシン ジコ オ ヒキオコシタ ツキノワグマ ノ ショクセイ リレキ ノ スイテイ アンテイ ドウイタイ ブンセキ ニ ヨル ショクセイ カイセキ
  • ―安定同位体分析による食性解析―

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説明

2009年9月19日,乗鞍岳の畳平(岐阜県高山市)で発生したツキノワグマ(Ursus thibetanus)による人身事故について,加害個体の炭素および窒素安定同位体比による食性解析を行った.体毛の炭素・窒素安定同位体比は,他の北アルプスの自然個体と同様の値を示した.さらに,体毛の成長過程に沿って切り分けて分析を行った結果についても,過去2年間の食性履歴において残飯に依存した形跡は見られなかった.当該個体は,観光客や食堂から出る残飯等に餌付いた可能性が疑われていたが,そのような経歴の無い,高山帯を生息圏の一部として利用する個体である可能性が高いことが明らかとなった.<br>

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 50 (1), 43-48, 2010

    日本哺乳類学会

参考文献 (20)*注記

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