保存的に治療した鈍的損傷による胆嚢壁内血腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Gallbladder Intramural Hematoma in Blunt Trauma Treated with Conservative Therapy

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抄録

鈍的腹部外傷による胆嚢損傷を保存的に治療したまれな1例を経験したので報告する。症例は39歳の女性で,当院の看護師であった。自動車運転中に後方より追突されシートベルトにより腹部を受傷した。直後に軽い上腹部痛があったが一旦軽快し,受傷5日目に心窩部から右季肋部の痛みが徐々に増悪したので8日目に受診した。CTおよびエコーで胆嚢壁の顕著な肥厚と胆嚢内出血を認めたが他臓器損傷はなく,血液検査では炎症反応や肝機能の異常を認めなかった。胆嚢損傷の経過観察のため入院を勧めたが拒否したので,患者の希望により外来治療を行ったところ,鎮痛剤投与により腹痛が改善し受傷後14日で消失した。受傷後25日目画像所見では胆嚢は正常に回復していた。比較的軽症の腹部外傷であっても胆嚢損傷を念頭に置くべきである。

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