腹腔鏡補助下に修復したシートベルトによる外傷性小腸穿孔の1例

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  • Laparoscopy Assisted Surgery for a Traumatic Perforation of the Small Intestine by Seatbelt Restraint:
  • A Case Report

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抄録

術前に診断し腹腔鏡補助下に修復しえたシートベルトによる外傷性小腸穿孔の1例を経験したので報告する。症例は33歳,男性。乗用車同士の正面衝突事故により救急搬入された。下腹部にシートベルト痕を認めるものの腹部の所見は乏しく,胸腹部打撲傷の診断にて帰宅となった。その後,腹痛増強し再度来院となった。左下腹部を中心に圧痛を認め腹部造影CTにて少量の腹水と左上腹部にごく少量の遊離ガス像を認めた。近傍の空腸の壁肥厚も認めたため外傷性小腸穿孔の診断にて手術を実施した。腹腔鏡にて観察したところTreitz靭帯より約20cmの空腸に穿孔を認めた。その他の損傷部位はTreitz靭帯近傍の空腸の漿膜損傷を認めるのみであった。上腹部に小切開をおいて直視下に穿孔を修復した。術後6日目に軽快退院となった。外傷性小腸穿孔は比較的まれであり穿孔部位の術前診断は困難である。手術の際には腹腔鏡による観察が有用であると考えられた。

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参考文献 (14)*注記

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