Richter型大腿ヘルニア嵌頓,小腸穿孔による鼠径部膿瘍に対してヘルニア修復,小腸切除,一期的前外側大腿皮弁再建術を行った1例

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  • Femoral Hernia Repair and Anterolateral Thigh Flap for a Patient with an Incarcerated Femoral Hernia and Inguinal Abscess

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抄録

81歳女性,2日前より鼠径部膨隆を認め,当院受診となった。鼠径部に約10cm大の皮膚壊死を伴う膨隆を認め,血圧70mmHg台,脈拍128/分,白血球,CRP上昇を認めたが,アシドーシスは認めなかった。CTで左大腿ヘルニアに伴う鼠径部膿瘍が疑われ,緊急手術となった。膿瘍内では大腿輪よりヘルニア嚢を認め,Richter型嵌頓,小腸穿孔を認めた。鼠径靱帯を切離後,小腸嵌頓を解除,穿孔部位の小腸切除を行った後,大腿輪を直接縫合閉鎖した。壊死組織をデブリードマン後,外側大腿回旋動脈下行枝による有茎前外側大腿皮弁を用いて組織欠損部を修復した。術後ICUにて集中治療後,術後2日目ICU退室,その後も経過良好で術後39日で退院した。前外側大腿皮弁再建術は広範囲皮膚欠損を伴う鼠径部膿瘍に対して有用な術式と思われる。

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