外傷性脾損傷の治療法の選択に関する検討

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  • Assessment of Initial Treatment in Patients with Blunt Splenic Injury

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近年の外傷性脾損傷症例に対する非手術的治療の成功率の上昇は,TAEの寄与するところが大きい。今回われわれは,非手術的治療の成功/非成功の予測因子となりうるものを探るべくさまざまな因子についての検討を行った。また,脾損傷の形態分類に,日本外傷学会脾損傷分類のほかにAmerican Association for the Surgery of Trauma(以下,AAST)スケールも適応し検討した。2000年9月から2006年7月の約6年間,31例の外傷性脾損傷症例が対象となった。初期治療では,8例(26%)が外科的手術となった。19例(29%)が血管造影を受け,そのうちの16例にTAEを行った。非手術的治療の成功は13例(42%)であった。AAST gradeIII以上,日本外傷学会分類IIIc以上,濃厚赤血球輸血を施行したもの,脾動脈近位で塞栓を行ったものがTAE非成功との相関を認めた。左腎損傷を伴った症例は,脾臓もより重度の損傷であることが多かった。

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