難治性髄液鼻漏に対する鼻内内視鏡下髄液鼻漏閉鎖術例

  • 南 和彦
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
  • 菅澤 正
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Transnasal Endoscopic Repair for Traumatic Cerebrospinal Fluid Rhinorrhea after Multiple Cranial Surgeries

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説明

<p>鼻副鼻腔と髄液腔の隔壁が何らかの原因で欠損し,脳脊髄液が鼻腔に漏出する状態が髄液鼻漏である。髄液鼻漏は外傷性と非外傷性に大別され,外傷性は頭部外傷や手術に伴う副損傷である。外傷性髄液鼻漏の最も多い原因は交通外傷をはじめとする頭部外傷である。髄液鼻漏は気脳症や髄膜炎などの合併症を生じる危険性があり,また髄液鼻漏が長期に及んだ場合には髄膜脳瘤の原因となる可能性があるため,できるだけ早期の閉鎖が求められる。保存的治療で髄液鼻漏の閉鎖が困難と判断した場合には外科的治療による早期の瘻孔閉鎖術が必要とされる。手術アプローチは開頭によるもの以外にも近年は鼻内内視鏡下に行われるようになってきており,閉鎖成功率の向上が謳われている。鼻内内視鏡下髄液鼻漏閉鎖術は瘻孔部を同定することができれば開頭手術に比べてはるかに低侵襲で,再手術であってもまず検討すべき選択肢ではないかと考えられる。今回われわれは,過去複数回の開頭髄液鼻漏閉鎖術にて閉鎖しえなかった交通外傷による外傷性髄液鼻漏に対して受傷後15年経過してから鼻内内視鏡下髄液鼻漏閉鎖術を施行して良好な経過が得られた症例を経験したので報告する。</p>

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