閉塞性ショックのため救急室で開腹した腹部コンパートメント症候群
書誌事項
- タイトル別名
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- Abdominal Compartment Syndrome with Obstructive Shock Treated byDecompressive Laparotomy in the Emergency Room
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説明
<p>閉塞性ショックは迅速な診断と治療を必要とする。だが,腹部コンパートメント症候群(ACS)により閉塞性ショックが生じることはあまり知られていない。79歳の男性が腹痛で救急搬送され,CT検査後に急激な呼吸状態悪化と血圧低下を認めた。身体所見では腹部緊満,CT検査では著明な小腸拡張による下大静脈圧排を認めた。腸閉塞に伴うACSと診断し,救急室で開腹すると呼吸循環動態が急激に改善した。腸管壊死は認めず,腸閉塞の原因は癒着であった。ACSは腹腔内圧が上昇し閉塞性ショックを生じる。腹腔内圧測定ができない急変時の診断は困難であるが,救命には開腹減圧術が必要である。また本邦報告例の約半数でも腹腔内圧が測定されていないが,ACSを生じる可能性がある患者では定期的な腹腔内圧測定を行い,手術時期を見極める必要がある。</p>
収録刊行物
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- 日本腹部救急医学会雑誌
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日本腹部救急医学会雑誌 36 (4), 781-785, 2016
日本腹部救急医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679713314304
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- NII論文ID
- 130005171679
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- ISSN
- 18824781
- 13402242
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可