前頭洞・蝶形骨洞に同時に発見された副鼻腔真菌症例

  • 浦口 健介
    香川労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 牧原 靖一郎
    香川労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 内藤 智之
    香川労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 岡 愛子
    香川労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 假谷 伸
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 岡野 光博
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 西﨑 和則
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Paranasal Fungal Ball of the Frontal and Contralateral Sphenoid Sinus

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説明

<p>副鼻腔真菌症は一般には上顎洞へ片側に発症するとされており,前頭洞や両側に副鼻腔真菌症が発症することは極めて稀である。今回,前頭洞真菌症と対側の蝶形骨洞へ同時に発見された副鼻腔真菌症の1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する。症例は71歳女性。頭痛により他院で頭部CTを撮影したところ前頭洞陰影を認めたため当科紹介された。CT上は左の前頭洞真菌症であり全身麻酔下にEndoscopic modified Lothrop procedureで真菌塊を摘出した。術後,CTで再評価したところ対側の右蝶形骨洞側窩のみに限局する陰影を認めた。初回CTを見直したところ蝶形骨洞には以前から陰影あり,蝶形骨洞真菌症に対して全身麻酔下で右蝶形骨洞開窓しハイドロデブリッダーシステム®(日本メドトロニック,東京)を用いて洗浄した。術後1年間経過したが真菌の再発を認めず,外来で経過観察中である。副鼻腔真菌症は複数洞や両側罹患の可能性もあるため,術前のCT読影を厳密にするべきと考えた。</p>

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参考文献 (8)*注記

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