甲状腺眼症に対して鼻内内視鏡下眼窩減圧術を施行した3症例

DOI Web Site 参考文献10件 オープンアクセス
  • 関 沙織
    広島大学大学院医歯薬保健学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 竹野 幸夫
    広島大学大学院医歯薬保健学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 石野 岳志
    広島大学大学院医歯薬保健学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 平川 勝洋
    広島大学大学院医歯薬保健学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Dysthyroid Orbitopathy Treated by Endoscopic Transnasal Orbital Decompression

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説明

<p>甲状腺眼症はバセドウ病などの甲状腺疾患に合併し,眼球突出や眼瞼腫脹,重症例では複視や視力障害をきたす。活動期にはステロイドや放射線外照射による治療が行われるが,無効例は眼窩減圧術の適応となる。また非活動期には視機能回復と整容性を目的に,眼窩減圧術や眼瞼手術が行われる。今回我々は,バセドウ病に伴う甲状腺眼症に対して鼻内内視鏡下眼窩減圧術を施行した3症例を経験した。眼窩減圧術は鼻内内視鏡下に行い,眼窩内側壁および下壁内側を除去した。内直筋の上方と下方に2本の平行な眼窩骨膜切開を行い,眼窩内容物を篩骨洞内と上顎洞内に脱出させた。症例1は圧迫性視神経症による視力低下を認め,ステロイド治療により視力は一時的に改善したが再増悪を繰り返し,眼窩減圧術を施行した。術後視力は改善した。症例2と症例3は眼球突出・複視などの症状を認めステロイド治療および放射線外照射を行ったが症状改善が乏しく,眼窩減圧術を施行した。鼻内内視鏡下眼窩減圧術は1990年以降多くの報告を認め,一般的な手術方法の一つとなっている。しかし国内での報告は少数である。外切開を加える必要がなく整容面で優れ,安全に行うことができる手術と考える。</p>

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