経肛門的高圧空気注入による多発結腸外傷の1例

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  • A Case of Multiple Colon Injury Caused by a High Pressure Air Blow Gun Injury Via Transanal Route

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抄録

症例は25歳の男性で,原因不明の急性腹症にて当院救急外来に紹介された。当院での問診にて,エアーブロワーによる経肛門的な高圧空気注入後からの腹部症状と判明した。来院時の腹部理学所見では腹部は全体に膨満し,腹膜刺激症状を認めた。腹部X線検査およびCT検査では遊離ガス像および小腸から全大腸におよぶ腸管拡張を認めた。また下部消化管内視鏡検査において,S状結腸粘膜は断裂し,数条の縦走潰瘍様所見を認めた。消化管穿孔および汎発性腹膜炎の診断で,緊急開腹手術を施行した。手術所見では,直腸S状部,S状結腸,脾弯部,肝弯部に漿膜損傷を認め,特にS状結腸部には腸管壁全層に及ぶ壊死所見を認めた。拡大左半結腸切除術およびdiverting ileostomyを施行し,術後39日目に退院した。経肛門的高圧空気注入による結腸損傷は極めてまれであるため,若干の文献的考察を加えて報告する。

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