Bacterial translocationにより敗血症性ショックを呈した大腸癌イレウスの1例

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  • A Case of Septic Shock due to Bacterial Translocation from Obstructive Colorectal Cancer

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抄録

症例は81歳,男性。食思不振で当院に搬送され,CT検査でS状結腸癌イレウスと診断して緊急手術を施行した。開腹すると腫瘍口側の腸管は拡張していたものの穿孔や閉塞性腸炎の所見は認めなかった。術直前よりショック状態を呈したためbacterial translocation(以下,BT)による敗血症性ショックと診断し,横行結腸に人工肛門を造設して血液濾過透析,エンドトキシン吸着を含む集中治療を行った。静脈血培養からはE.cloacae,E.coliが分離された。状態は徐々に安定して6日目に抜管,34日目に根治術を施行して51日目に独歩で退院となった。大腸癌イレウスでは穿孔や閉塞性腸炎を認めなくともBTで致命的となる場合があり,その際は速やかな減圧処置と集学的治療が必要である。

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