腹腔鏡下で整復しえた成人特発性腸重積の1例

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  • A Case Report of Adult Idiopathic Intussusception Treated by Laparoscopic Reduction

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抄録

症例は36歳,男性。前日からの下腹部痛を主訴に受診した。腹部造影CT検査を施行し,横行結腸に先進部を認める盲腸腸重積と診断,緊急手術の適応と判断した。腹腔鏡観察にて,上行結腸肝弯曲部に先進部を認めた。左側腹部に5mmのトロッカーを2本追加し腹腔鏡下に無爪鉗子を用いて整復を行った。器質的疾患の有無を確認するため臍窩創を3cmに延長し,回盲部腸管を体表に挙上,虫垂を切除し盲腸内腔を確認したが腫瘍などの原因は認めなかった。粘膜面に色調の変化を認めたため血流障害による遅発性穿孔のリスクを考え盲腸部分切除を行った。病理検査の結果でも腫瘍などの疾患は指摘されなかった。成人の特発性腸重積は比較的まれであり,悪性腫瘍などの器質的原因を伴うことが多い。今回われわれは,成人特発性腸重積を腹腔鏡下に整復し,小切開創より盲腸を切除,診断に至った症例を経験したので報告する。

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