保存的に軽快した餅による食餌性腸閉塞の1例

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  • Small Intestinal Obstruction Caused by a Rice Cake

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説明

<p>症例は68歳,男性。突然発症した強い腹痛と嘔吐で救急搬送された。前日に餅を食べた食餌歴があり,CTでは腸閉塞像を呈し,小腸のhigh densityを呈する狭窄部より口側に複数のhigh densityな構造物が描出された。餅による食餌性腸閉塞(以下,餅腸閉塞)と診断し,絶食・輸液治療を開始した。症状は軽快し退院となった。食餌性腸閉塞は全腸閉塞の中でもまれな病態ではあるが,餅も原因となることが知られている。餅の主な構成成分であるでんぷんはアミラーゼにより分解されるアミロースが少なく,分解されにくいアミロペクチンが多く含まれる。このため餅は膨化性や付着性が高く,不十分な咀嚼などが原因で,腸閉塞の原因となり得る。また自験例のように餅腸閉塞のCTのhigh densityな所見は特徴的であり,食餌歴の聴取と合わせて診断に有用である。</p>

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