3点式シートベルトによる外傷性十二指腸球部穿孔の1例

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  • A Case of a Traumatic Duodenal Rupture Caused by a Three-Point Seatbelt

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抄録

<p>症例は21歳,男性。搭乗中の軽乗用車が前方の車両へ追突し救急搬送となった。事故時,患者は助手席で3点式シートベルトを着用していた。来院時,心窩部から右側腹部にかけて斜走するシートベルトサインと,右側腹部に圧痛を認めた。反跳痛は認めなかった。血液検査で白血球の増多と軽度の肝障害を認めた。腹部造影CTで,上腹部を中心に散在するfree airと,横行結腸肝弯曲部に壁肥厚を認めた。Shoulder beltによる横行結腸穿孔を疑い,緊急開腹した。横行結腸肝弯曲部には壁内血種と漿膜損傷を認めたが,穿孔は認めなかった。十二指腸球部前壁に10mmの穿孔を認め,これを単閉鎖した。術後,速やかに腹部症状は消失し,術後12日目に退院となった。術後4ヵ月の時点で合併症を認めていない。3点式シートベルトによる腹部臓器の損傷で,十二指腸球部の穿孔は比較的まれである。文献的考察を加えて報告した。</p>

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