粘膜下下鼻甲介骨切除と併用した選択的後鼻神経切断術のアレルギー性鼻炎への有用性に関する検討

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  • Selective Endoscopic Resection of the Distal Branches of the Posterior Nasal Nerve Combined with Submucosal Inferior Turbinate Conchotomy

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重症例のアレルギー性鼻炎において薬物治療のみでは十分な改善が得られない場合,外科的治療が考慮される。これまで様々な術式が報告されているが,未だ標準的な術式の確立には至っていない。今回われわれは,粘膜下下鼻甲介骨切除とともに下鼻甲介粘膜下の後鼻神経と伴走血管を含む索状組織を切断切除する選択的後鼻神経切断術を実施し,その有用性を検討したので報告する。索状組織に含まれる後鼻神経は蝶口蓋孔の前下方で2つに分岐し,各分枝はさらに枝分かれをして下鼻甲介粘膜全体の鼻腺を支配する。本術式では,粘膜下に下鼻甲介骨を摘出した後,後鼻神経を含む索状組織の各分枝を内視鏡下に確認し,凝固後に切除した。本手術を施行した26症例に対し,術前術後の症状の評価を行ったところ,くしゃみ発作,鼻汁,鼻閉,日常生活の支障度は,術後1年経過した時点でも有意な改善が認められた。術後合併症はいずれも一過性で,重篤な術後出血は認めなかった。粘膜下下鼻甲介骨切除に併用して行う選択的後鼻神経切断術は,効果や安全性の面で有効な外科的治療であると考えられた。<br>

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