左肺上葉切除術後にみられる残存気管支の変形に関する内視鏡的ならびに病理学的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Endoscopical and Pathological Study on Deformation of the Residual Bronchus after Upper Lobectomy of the Left Lung

この論文をさがす

説明

左上葉切除術後の患者19例を対象に, 残存気管支の変形について内視鏡的および病理学的観察を行ない, その形態ならびに成因について検討した。左主気管支には上方への彎曲と捻転が全例に認められた。左主気管支は長軸を軸として時計方向へ60°ないし90°捻転し, その結果として上葉支断端は前方に変位していた。また, 極めて特異的な変形として気管支壁の隆起が19例中18例に見られた。隆起発生部位は左下葉気管支入口部が最も多く16例, 左主気管支末端部および底区域支が各1例であった。隆起による気管支狭窄は, 左底区域支入口部において最も多く見られ, それにより換気障害を惹起する可能性が予測された。隆起の発生は上葉気管支断端の縫合法と関連しており, 断端の縫合線を残存気管支の長軸に対して垂直方向にとることにより発生を予防しうることが示唆された。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 8 (1), 33-40, 1986

    日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ