気管支肺胞洗浄 (BAL) 後に急性増悪を呈した急性型の特発性間質性肺炎と考えられる 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Acute Type Idiopathic Interstitial Pneumonia Associated with Acute Exacerbation Induced by Bronchoalveolar Lavage

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抄録

気管支肺胞洗浄(BAL)後に急性増悪を呈した, 急性型の特発性間質性肺炎(IIP)と考えられる比較的稀な一例を経験したので報告する。症例は, 67歳の女性で, 肝硬変症および糖尿病にて治療中であった。平成5年11月3日より労作時の息切れを認め, 11月8日の胸部単純X線写真で両側中肺野を中心とした肺門から末梢肺野に拡がるスリガラス様陰影を指摘され, 入院となった。急性型のIIPと考えステロイドパルス療法を実施したところ, 2コースの治療により著明に改善した。しかし, BALを再度施行すると, 検査後に間質性肺炎の増悪を認めた。再度ステロイドパルス療法を行ったが効果なく, 呼吸不全にて死亡した。BALによる間質性肺炎の急性増悪は比較的稀な合併症であるが, 生じた場合には致命的となりうるため, BALの適応は十分検討されるべきであると考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 17 (1), 80-86, 1995

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (7)*注記

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