10mm 以下の末梢小型肺癌に対する気管支鏡下擦過細胞診検査の意義(肺末梢小型(10mm 以下)陰影に対する確定診断法)(第 20 回日本気管支学会総会)

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説明

10mm以下の末梢小型肺癌に対する気管支鏡下擦過細胞診検査の有用性について検討した。1995年1月から97年4月にかけて, 肺癌が疑われた画像上10mm以下の病変で, 気管支鏡下擦過細胞診検査の行われた43症例(男 : 20, 女 : 23)を対象とした。擦過細胞診での陽性例は, 6例(腺癌 : 4, 扁平上皮癌 : 2), 異型細胞2例, 陰性例は35例であった。異型細胞例は開胸生検で1例が腺癌, 1例が結核腫で, 陰性例35例中21例は, HRCT所見(13例), 過去のフィルムとの比較(4例)などから開胸生検が行われ, 結果は腺癌8例, カルチノイド2例, 結核腫5例, 良性腫瘍3例, 肺内リンパ節2例, 器質化肺炎1例であった。最終的に手術例29例中17例(58%)が肺癌で, 擦過細胞診の診断率は35%(6/17例)であった。本検査は外来で可能で合併症の可能性は少なく, 末梢小型陰影に対する確定診断法として最初に選択されるべき検査法であるが, 結果陰性であってもHRCTの所見を十分に考慮して, 肺癌が疑われる場合には積極的に開胸生検が必要であると考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 19 (8), 653-658, 1997

    日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (14)*注記

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