<i>Pasteurella multocida</i>が原因菌の1つとして考えられた市中肺炎の1例

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タイトル別名
  • A Case of <i>Pasteurella multocida</i> Pneumonia

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説明

<p>背景.Pasteurella multocidaはイヌやネコの口腔内の常在菌であり,人畜共通感染症である.症例.83歳の男性.ペット飼育歴はないが,ネコとの接触が考えられた.当院で不安定狭心症の治療を受けていた.3日前より悪寒,2日前より38.5℃の発熱,黄色痰を認めたため当科を受診した.胸部CTでは右下葉に浸潤影,すりガラス影が出現しており,血液検査では白血球増多および炎症反応の上昇が認められた.右下葉から気管支洗浄を施行し,Pasteurella multocidaが培養された.また気管支洗浄液から細菌のDNAを抽出し,16S rRNA遺伝子の塩基配列の一部(約600 bp)を決定し,basic local alignment search tool(BLAST)を用いて基準株との遺伝子配列の相同性検索を行った結果,Pasteurella multocidaの基準株に最も相同性が高く,血液培養でも同菌が検出され,Pasteurella multocidaによる肺炎および菌血症と診断した.SBT/ABPC 1.5 g×2/日による抗菌薬治療開始で速やかに改善した.結論.Pasteurella multocidaによる肺炎は稀であり,本症例において気管支洗浄液16S rRNA遺伝子解析が診断に有用であった.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 38 (5), 382-385, 2016

    日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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