肺小細胞癌の放射線療法後に発生した扁平上皮癌の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Squamous Cell Lung Cancer after Treating with Radiation for Small Cell Lung Cancer

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抄録

症例は77歳, 男性。平成5年9月の胸部X線検査で左上葉の異常陰影を指摘され当院で気管支鏡検査を施行したところ, 左S^3原発の小細胞癌と診断された。臨床病期はI期であったが, 肺機能及び腎機能の低下のため, 放射線療法として40Gyを左上肺野から肺門部に照射した。陰影は消失し軽度の線維化を残すのみとなり, CRとして外来にて経過観察とした。平成9年3月の胸部X線にて左上肺野に新たな陰影が出現し, 再度気管支鏡検査を行い, 左B^3入口部に腫瘤がみられ, 生検で高分化型扁平上皮癌と診断された。高齢であることと共に高度低酸素血症のため, 積極的な治療を行わず, 平成10年3月現在外来にて経過観察中である。肺小細胞癌における放射線治療後の長期観察についての報告はなく, また, 本症例は肺小細胞癌に対して放射線療法のみ行ったのち, 同一照射野に扁平上皮癌が出現した興味ある症例と考えられ報告した。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 21 (1), 27-31, 1999

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (12)*注記

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